間瀬なおかたの絵本を読むなら最初は『ドライブにいこう』がおすすめ
間瀬なおかたさんという絵本作家さん。
ご存知の方も多いのではと思います。
とくに、車好き、電車好きなお子さんがいらっしゃれば、
一度は遭遇する作家さんではないでしょうか。
わが家には、間瀬なおかたさんの絵本がたくさんあります。
コンプリートする気なの?
というくらいいっぱいあります。
息子ももちろん大好きですが、どっちかというと、
お父さんがドハマリ中。
子どもだけでなく、大人も虜にする魅力があるようです。
主に、車や電車にまつわる絵本や、
乗り物を主軸にして展開する物語を描かれるのが特徴。
やさしく丸いラインで、ふんわりとした色使い。
引きの視点で美しい情景を含めて描かれることも多く、
パッと見はとてもシンプルなのですが、
よくよく見ると、面白い仕掛けが絵の中に盛りだくさん。
何度読んでも飽きることがない楽しみがつまっています。
どの絵本にも遊び心が満載なんです。
絵ももちろんですが、絵本そのものの仕掛けもいっぱい。
トンネルの向こうから次ページの情景が除いていたり、
ページのカットによって効果が演出されていたり、
表からも裏からも読める絵本であったり。
どの絵本を選んでも、楽しめますよ。
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もし、車好きのお子さんのために、
間瀬なおかたの絵本を最初に選ぶのであれば、こちらがおすすめ。
『ドライブにいこう』です。
表紙に登場しているお父さん、お母さん、女の子、男の子の四人家族が、
赤いオープンカーに乗って、山の麓からてっぺんまで登って行きながら
旅を楽しむ物語です。
花畑を通り、川を越え、滝を眺め、森を抜け、湖を走り、雲を抜けて、
たどり着いた山頂から、美しい眺めを楽しむことになります。
ほとんどのページは、オープンカーが走る町並みを
引きの視点で描いています。
たくさん走る車の中からオープンカーを探したり、
車を降りて遊んでいる家族の姿を探したりして、
楽しむことができるのです。
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また、車に詳しい人なら、
「あ、これはチンクエじゃないの?」
「おっと、これはフィガロでは…?」
なんて思わせてくれる車たちも登場します。
すごく詳しい人ならもっとわかるかもしれません!
注目してほしいのは、フィガロ。
表紙にも登場しています。左上のあたり。
このフィガロ。
間瀬なおかたさんの、さまざまな絵本に登場します。
フィガロに乗っている帽子をかぶった男性も、ときどき登場します。
これ……
噂によると、
間瀬なおかたさんの愛車らしいのです!
もちろん、乗っているのは……
間瀬なおかたさんご本人!
絵本によっては、フィガロの運転手さんらしき人が、
スケッチブックに絵を書いたりしてるんですよ。
『ドライブにいこう』にも、
たくさんのページにフィガロが登場するので、探してみてください。
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それから、表紙の右側にも要注目。
このバス!
絵本の中にもそれらしきバスが何度か登場するのですが……
こちらの絵本『あめのひのえんそく』のバスに似てませんか?
それから、青いバスの少し上にいるトラックにも注目です!
アルファベットが書いてありますよね。
「ESAM」と書かれたトラックです。
実は、間瀬なおかたさんの絵本には「ESAM」という会社の看板など
たくさん出てくるんですよ。
何だと思います? これは簡単かな?
「ESAM」を逆から読んでみると…?
間瀬なおかたさんの絵本には、
こういう遊び心がいっぱい詰め込まれているんです!
絵本の途中では、
こちらの絵本『でんしゃでいこう でんしゃでかえろう』の
緑色の電車らしきものも登場します!
表紙にも小さく見えてますね。
ちなみに、『でんしゃでいこう でんしゃでかえろう』は、
雪降る「やまのえき」から、春の花咲く「うみのえき」までを往復する
電車を描いた絵本です。
表からも裏からも読むことができます。
表の右開きからなら「でんしゃでいこう」、
裏からなら「でんしゃでかえろう」というタイトルになります。
この絵本の「うみのえき」の最初のページでは、
フィガロに乗っているおヒゲの男性を見ることができますよ!
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さて。
今回、間瀬なおかたさんを最初に読むなら
『ドライブにいこう』がおすすめ……としたのは。
間瀬なおかたさんの他のたくさんの絵本に、
この絵本の主人公である、
赤いオープンカーに乗った4人家族が
たくさん登場するからなのです!
もう本当に、あっちこっちにいっぱいいるので、
ぜひ探してみてください!
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最後に、 私はもうひとつ、
絵本『ドライブにいこう』の大好きな描写があります。
表紙のように、最初はお父さんが運転をしているのですが、
実は後半になると、お母さんと運転を交代するんです!
お父さんは助手席でグーグー……。
なんだか微笑ましいなあ、と思います。
どこが運転手交代のポイントなのか、ぜひ探してみてくださいね。